嚢炎・毛包炎
皮膚の中に入り込んだ毛根を包み込む部分を毛包・毛嚢と言います。外陰部の毛穴より下の皮膚部分、毛穴奥が細菌感染を起こした状態が毛嚢炎・毛包炎です。生理時の蒸れた状態やムダ毛処理時の小さな傷によって雑菌が侵入して発症することが多いとされています。汗と汚れによって細菌感染しやすいため、清潔を保つなどの注意が必要です。患部は、赤く盛り上がった丘疹・膿のある丘疹が生じて痛みが伴います。治療は、抗生剤を用いて炎症を抑えていきます。
バルトリン腺嚢胞
バルトリン腺は、膣口の左右に1つずつある分泌腺です。このバルトリン腺液の出口が損傷したり炎症したりすることで閉塞した状態をバルトリン線嚢胞と言います。内部に液体が溜まった状態ですが、感染も痛みもありません。治療方法は、切開や吸引によって中に溜まった液体を取り除きます。繰り返し閉塞する場合は、摘出術や造袋術による根治治療を行います。感染し炎症や腫れ、痛み、発熱が伴う場合は、バルトリン腺膿瘍とされます。この場合は、抗生剤を用いて治療を行います。抗生剤で良くならない場合には切開排膿など手術が必要になります。
性器ヘルペス
単純ヘルペスウイルスによる性感染症です。目立つ症状は感染して数日から10日後に現れます。女性の場合は、初感染後の症状が強く現れるのが特徴で、尿が滲みて激しい痛みが現れます。歩行困難になるほどの強い症状が見られますが、再発時には軽くなるので違和感程度で治ることがあります。皮膚の違和感から始まり、水疱ができると痛みが現れます。水疱が破れると潰瘍になるほか、発熱・頭痛・排尿痛・鼠径部の腫れなどを引き起こします。再発時の症状は軽い痛みや痒み程度で済みます。治療は抗ウイルス剤を用いて内服や塗布で症状を改善させていきます。水疱や潰瘍がある場合は、感染しやすいため入浴やシャワー時には、使用したタオルや衣類は触れないように洗濯するように気を付けます。
尖圭コンジローマ
ヒトパピローマウイルスによる性感染症です。感染後3週間～8か月経った頃に外陰部や肛門周辺にイボができます。イボが集まり、カリフラワーのように成長するケースもあります。痒みや火照り・性交痛を引き起こします。治療方法は、薬剤の塗布によって行いますが、それでも改善が見られない場合は外科的切除治療・焼灼・凍結治療を検討していきます。再発しやすい疾患のため、地道に治療を続けることが大切です。
尿道カルンケル
尿道出口に良性腫瘍ができる状態を尿道カルンケルと言います。痛み・違和感・痒み・少量の出血などの症状が見られます。治療は、ステロイド軟膏を用いて治療しますが、改善が見られない場合は泌尿器科による手術を行います。更年期以降に発症するケースが多いのが特徴です。
