子宮内膜ポリープ
子宮に発生するポリープは、発生する場所によって子宮頸管にできるものを「頸管ポリープ」、子宮内膜にできるものを「内膜ポリープ」と呼びます。どちらも良性であることがほとんどですが、自覚症状が乏しく気が付きにくいのが特徴です。頸管ポリープの場合、比較的簡単に摘出することができますが、内膜ポリープは内視鏡を用いて切除する必要があります。
症状
子宮内膜ポリープは過多、過長月経、不正出血の原因となります。無症状の場合でも検診などで指摘されるケースや不妊症で受診された方に見つかることも多い疾患です。
子宮内膜ポリープと妊娠との関係
受精を妨げ不妊の原因となる可能性があります。
ポリープ自体、自覚症状が無いので原因不明の不妊として見落とされてしまいがちです。子宮内膜ポリープを切除することで妊娠される患者さんも多くなっています。
子宮内膜ポリープの検査・治療
検査・診断
経腟超音波検査
子宮内膜の肥厚や白色の腫瘤が認められる場合には子宮内膜ポリープを疑います。
子宮鏡検査
超音波検査で子宮内膜ポリープが疑われる場合に実施しています。
子宮内腔を直接観察するため確実な診断が可能です。
当院では径の細い柔らかい内視鏡を用いていますので検査中の痛みはほとんどありません。(麻酔の必要性はありません)
検査時間も数分で終了します。
治療
子宮頸管・内膜ポリープの主な治療法は、以下の通りです。
子宮内膜ポリープ切除術
妊娠を希望される方、ポリープ径の大きな方は切除をおすすめします。
当院では外来での子宮鏡下手術を行っています。
入院の必要はありませんし手術時間も10分程度です。
ホルモン剤内服
妊娠希望がない方で子宮内膜ポリープによる月経症状の治療のためホルモン療法を行う場合があります。
しかし子宮内膜ポリープの存在により不正出血が多くなる可能性もあります。
その場合はポリープを切除してからホルモン療法を行う場合もあります。
子宮鏡手術に対応しています
当院ではHologic社のMyoSure ティシューリムーバルシステムを導入しています。
子宮鏡手術のメリット
- 内視鏡なので、お腹に傷をつけずに手術が行えます
- 術後の痛みはほとんどありません(個人差があります)
- 外来手術で行うため、仕事や日常生活への影響が少なく済みます
- 月経過多や月経痛に悩む方にとっては非常に有効な手術です
治療の流れ
1準備
受診(時間はスタッフよりお知らせします)後、座薬の挿入、点滴をします。
2麻酔、挿入
子宮頸管に局所麻酔を行います 鎮静剤投与を希望の方は注射にて投与します(手術時に鎮静剤を使用した方は当日の運転はできません)。
3手術開始
子宮頸管をへガールで約5mmまで拡張
子宮鏡を挿入し生理食塩水を子宮内に注入
子宮内膜ポリープを内視鏡下にMyoSureで切除
麻酔~切除完了まで約10分の手術になります。
4手術終了
摘出したポリープは病理検査で確定診断を行います。
費用
子宮頸管、内膜ポリープの治療は保険適用となります。以下は費用の目安となります。
治療法 | 費用 |
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子宮鏡下子宮内膜ポリープ手術 | 3割負担の場合 20,000~30,000円 |